もしぼっちが100人のリア充の中に入ったら ~第5話「"なかま" がいるということ」~

先週の土日は、前半のヤマ場ともいえる、名古屋公演のメンバーとの合同練習だった。

名古屋公演は関西公演とほぼ同じ時期に開催される*1ので、いわば名古屋公演は兄弟みたいな存在。先週 (もしぼっちが100人のリア充の中に入ったら ~第4話「初めてのノリ体験」~ - 僕はここにいる) の勢いもあり、一緒に練習できることが本当に楽しみだった。

 

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会場に到着すると、名古屋のメンバーからお出迎え。

入った瞬間から、僕は柄にもなく何が起こるのかワクワクしていた。長らく忘れていた、心の底から楽しみが湧き上がってくるこの感覚。いったい何年ぶりだろう。

まず最初にレクリエーションをした。最初の合宿でやった時は恥ずかしさがあったけど、今は人と目を合わすことを純粋に楽しめている。それだけでも、僕にとってはとても嬉しいことだった。

名古屋のメンバーはとても話しやすかった。自分が関西人ではないこともあるのかもしれない。

 

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練習では、お互いの動きを見合ったりした。

 

名古屋の方が少し練習が早く進んでいるのだが、名古屋メンバーの動きを見て、僕はとっても衝撃を受けてしまった!

1人ひとりから、自分がミュージカルの世界観を作るんだ!という気迫が伝わってきたのだ。

 

これまで僕は、ダンスや歌など、自分の動きを「覚える」のに精一杯で、なかなか世界観までに思いを致すことができていなかった。

だけど、名古屋のメンバーを見て、自分の心の中に火が点いたような気がした。

 

自分で自分をどんなキャラクターにしていくのか。自分なりに、世界観をどう作り上げていきたいのか。自分はこのミュージカルを通して、どんなことを伝えたいのか。

そのようなことを意識しながら、これから練習していこうと強く思った。

 

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宿泊先は、名古屋のメンバーの家。車で移動したのだが、移動中の景色を見ていると、名古屋は大都市だけど結構田舎なところもあるなーと思った。名古屋では車が必須らしくて、それがかなり意外だった。

 

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2日目は、会場にエアコンがなくてかなり暑く、疲れもあって1日目ほど集中できなかった。

だけど、僕の心は前とは明らかに違っていた。全員の前で発表する時も、いつの間にか「もっと見て!」と思うようになっていた。こんなに楽しさに満ち溢れた時間は、今までほとんどなかったような気がする。表現するって本当に素晴らしいな。

 

最後らへんには、名古屋のメンバーが先に練習しているシーンを見せてもらったのだが、彼ら彼女らのパフォーマンスを見て、今度は鳥肌が立ってしまった。

作中で一番辛くて悲しいシーンなのだが、その世界に見事に引き込まれた。悲しいシーンは下手すれば興醒めしてしまうものだけど、見ていた僕も本当に悲しいなと感じ、涙が出そうになった。

「自分たちもあそこまで見ている人の心を動かせるようになりたい!」そう強く感じた。

 

最後は一緒に歌って終わり。メンバーと連絡先を交換したり、公演を見に行く約束もしたりと、本当の本当に充実した2日間だった。

 

もうすぐミュージカルの練習も折り返し。時間が経つのは早いな。

 

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「仲間」という言葉を聞くたびに、「ありきたりな言葉だなあ」と感じる。

事あるごとに「仲間」という言葉を多用する人を、どこか薄っぺらいなと感じてしまう。

だけど、支え合いながらひとつの目的に向かって一緒に進む人たちのことがいるということが、紛れもなく僕にとっての心の支えになっている。そして、そういった人たちのことを表す言葉として、「仲間」以外の言葉を僕は知らない。

「なかま」がいるということは、僕を幸せな気持ちにしてくれる。

 

人は理屈ではなく感情で動く生き物だと言うけれど、感情を動かす力は人を幸せにする大きな力だなと思う。

僕は誰を幸せにできるだろう。誰かを幸せにするために、僕も自分自身の感情や感覚を、精一杯大事にしたい。

 

-高橋優「羅針盤」を聴きながら

*1:名古屋公演の方が20日ほど早い。